【陶芸家:篠原 貴志】器で思いを届ける

【陶芸家:篠原 貴志】器で思いを届ける

京都市の西に位置する亀岡市。

京都の中心部から車で1時間ほどで辿り着ける自然豊かなエリアです。

この亀岡市で自然と調和しながら作陶をされている陶芸家がいます。

今回ご紹介する陶芸家、篠原貴志さんです。

篠原さんは全国の様々な地域で陶芸を学ばれ、現在は京都の亀岡を拠点に活動されています。

私たちが篠原さんと出会ったのはとある蚤の市の会場でした。

美しい作品たちに囲まれた販売スペースの中で穏やかに販売されている姿に、私たちは何か不思議なシンパシーを感じお話を伺ったのがきっかけです。

スペースで佇んでいる篠原さんは職人然されており、寡黙で控えめな印象です。

しかしながら、一度接客を始められると熱心に作品のご説明をされていたのが印象的でした。

海外の方に対しても言葉の障壁を物ともせず、柔らかな物腰で接客をされている姿に私たちは一瞬でファンになってしまったのです。

篠原さんは幼いころから陶芸家を目指され、京都で陶芸を学ばれた後に佐賀県の有田で磁器について学ばれます。

その後、愛知県の瀬戸、そして京都に戻られ再び清水焼を学ばれ、亀岡で独立をされました。

様々な地域での学びを活かしながら、「日々の暮らしに幸せを与える器」をテーマに制作をされています。

篠原さんは「作品には作り手の人となりが宿る」とおっしゃっていました。

その言葉を聞いて、妙に納得がいきました。

篠原さんの作品はどれも穏やかで優しい印象です。

それはやはり篠原さんの人となりが器に宿っているからでしょう。

インタビュー中に「作ることが楽しい」と繰り返し話されていたのがとても印象的でした。

先述のように知識も経験も豊富な篠原さんが純粋に楽しみながら制作をされている姿は、救いのようなものを私に与えてくれました。

作ることは楽しい。

篠原さんは制作の姿を通してそう私たちに伝えてくださったのだと思います。

辛いこともある。苦しいこともある。

時には自分自身をさらけ出さないといけないこともある。

それでも作るということは素晴らしい。

篠原さんが轆轤を回す背中に道しるべのようなものが見えた気がしました。

Collection of Shinohei Kiln

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